菅田将暉、毎日千秋楽〜カリギュラ 05.12.2019ソワレ〜
菅田将暉主演の舞台、『カリギュラ』を見てきた。場所は神戸国際会館
物語は暴君カリギュラを中心に進んでいく。愛していた妹の死をきっかけにタガが外れたカリギュラは、国民たちを恐怖に陥れる暴君となっていく。けれど彼もただ傍若無人だったり、人の心がないわけではなく、むしろ臆病で繊細な部分が強すぎたためにバランスを崩して壊れていくわけなんだけれど。
その主人公カリギュラを演じたのが菅田将暉。個人的にいつも思うのは、「カメレオン俳優」と呼ばれる彼は、よく聞いてみるとセリフにあまり抑揚をつけてないな、と。じゃあ何が彼を「カメレオン」たらしめているのかといえば、演じる役によって仕草だったり、表情の作り方をガラッと変えていること。菅田将暉という存在をその世界の中から消していることなんじゃないかと思う。それが彼の映像で発揮される強みだと。
(だから正直声だけで演技する仕事は合ってないと思うんだよなあ……)
で、今回の舞台。
映像の中での菅田将暉の良さが、舞台上で遺憾無く発揮されていたと思う。
映像と違いカットのかからない舞台上で、菅田将暉は最初から最後までカリギュラとして生きていた。カリギュラを演じる菅田将暉としてではなくて、カリギュラとして。
だからこそ最後の場面で熱が入って涙を流していたんだろうな。私が見にいったのは神戸初日なんだけど、あれ?今日神戸楽??って思っちゃったよ。楽じゃなくてこれってことは、菅田将暉毎公演この熱量でやってるのか……!?!?!?
と、いうわけで舞台上の菅田将暉の良さを存分に楽しんだ公演でした。内容としては言葉のエネルギーが強い作品だと思った。カリギュラが叫ぶ言葉はどれも哲学的というか、「そんなもん気にしなかったらもっと楽に生きられるのにな」と思ってしまうような内容。だからこそカリギュラは繊細で、それ故に狂気にみちた暴君になったんだろうけど。
全体としてはシリアスで重いけど、シュールで面白い場面もあったり。菅田将暉が黄色いパニエを着てバレエもどきの何かを踊っている図は最高に面白かった。
そうそう、あと個人的には高杉真宙さんがよかったです。親をカリギュラに殺されたけれど、カリギュラのなかに自分と同じ感性を見つけてしまい憎めなかった青年の役でござんした。仮面ライダー鎧武に出てたらしいので今度見てみようかな。
まとまらないけれど今日はここまで。留学記もさぼりすぎなのでそろそろ書く……つもり!